<金岡教授>
たなべ未来創造塾は今年度、塾生の広域募集を実施され広域化されました。この広域化について、市長が期待していることなどお聞かせください。
<真砂市長>
やはり地域課題の根源的な問題には、人口減少があります。この人口減少による様々な変化を織り込みつつ地域で活躍できるプレイヤーを育てることを目標に「たなべ未来創造塾」は創設されました。
今年度のテーマである広域化につきましても、行政としても広域連携を進めており、既にいくつかの事業については広域圏として活動をしています。しかし、我々行政機関がどれだけ連携を進めようと行政区による越えがたい壁のようなものは存在しています。
塾生の皆さんにはそういった壁を感じさせない事業展開を期待しています。
また、塾の中で地域課題について考えを深めていくと思いますが、塾生の皆さんには「自分がやりたいこと」「自分が出来る事」「自分がやるべき事」この3点についての考えを深めていただきたいと思います。この3点が重なった先に、地域に必要とされ、自分が注力出来るビジネスが見つかるかと思います。約8ヶ月間頑張って下さい。
<金岡教授>
田上さんは、県内のみならず、日本全国様々な方々と積極的に交流し、広域的な活動をされております。ご自身の経験から10期生へアドバイスをお願いします。
<田上さん>
人と繋がる事が大事だと思います。
私自身、越境学習事業で繋がった方々と別事業でコラボを計画したり、人との繋がりの中で活動の幅や、範囲を広がり、広域的な活動も行うようになりました。
まず、人と繋がり、お互いの得意な分野や特性を掛け合わせることで、事業の幅や価値が何倍にも大きくなる可能性があります。何かを掛け合わせることで新しい事業や新しい価値が生まれることを、頭の片隅でよいので考え続けてみてください。そうすれば、素晴らしいアイディアが生まれると思います。
<金岡教授>
日本政策金融公庫様では、高校生を対象としたビジネスプラングランプリを開催されていますが、こうした将来の地域の担い手である子どもたちに「地域で活躍するカッコいい大人の姿」を見せることは重要であると思います。
「地域で活躍するカッコいい大人」を目指す10期生にエールをお願いします。
<山口支店長>
我々日本政策金融公庫は、高校生ビジネスプラングランプリという事業を実施しており、「たなべ未来創造塾」とも関わりの深い神島高校様の神島塾は、10年連続で出場され、毎年、地域課題解決の視点を入れた実現性の高いビジネスプランを提案され、高い評価を受けています。
繰り返しにはなりますが、身近にある地域課題に取り組むという「たなべ未来創造塾」の目指すところを信じて、来年2月まで駆け抜けてもらいたいと思います。
ぜひとも、地域のカッコイイ大人の背中を若者に見せてください。私たち関係機関も精一杯バックアップしていきますので、一緒に魅力的な仕事の創出に取り組んでいきましょう。
<金岡教授>
和歌山財務事務所様からも10期生へのエールをお願いします。
<塩士所長>
10期生の皆さんは、地域に対する熱い想いを持って、「たなべ未来創造塾」で様々なことを吸収し、自分なりのビジネスプランを考え、地域課題解決のために実践していただくことを期待しています。
我々は、事業者に対して融資や補助金交付といった直接的な支援はできませんが、全国の拠点を通じて自治体や企業、関係機関と密接に連携しておりますので、各地で活躍するプレイヤーのご紹介やセミナーの開催といった間接的な支援を得意としています。困り事があれば何でもお気軽にご相談ください。
<金岡教授>
田辺市は本年20周年を迎えられ、未来創造塾も10年の節目で広域展開となりました。これから先の10年、さらにはその先の地域の将来に向けての展望等をお聞かせください。
<真砂市長>
田辺市は今年度多くの節目を迎えています。
「田辺市合併20周年」「みなべ・田辺の梅システムの世界農業遺産登録10周年」「闘鶏神社の世界遺産追加登録10周年」、こういった節目の年に「大阪・関西万博」が開催され、「たなべ未来創造塾」も10期目を迎えることが出来ました。
これらの偶然を意味のある偶然、「必然」であると考え、真剣に取り組んでいくことで次のステップが見えてくるのではないかと思います。
皆で一緒に精一杯頑張っていきましょう。