田辺市では、人口減少を起因として生じる空き家や空き店舗の増加、地域の担い手が不足するなどの地域課題の解決や、世界遺産「熊野古道」や世界農業遺産をはじめとする多くの地域資源の活用に向け、企業の営利活動との共通項を探し出し、本業を生かしてできるビジネスモデルの創出、ビジネスリーダーの育成を目指した「たなべ未来創造塾」を2016年に創設いたしました。
段階を経ながら人材を育成することにより、ビジョン構築能力、リーダーシップ、意志力、行動力等の資質の習得並びにプロジェクト創出による地域課題の解決と地域経済の活性化の実現、地域の担い手育成、CSVの醸成に向け、継続して取組んでいます。
田辺市と熊本大学熊本創生推進機構が主催となり、地元金融機関、関係機関等にも参画頂く中で、「産学官金」が一体となった運営体制を構築しています。
田辺市と日本政策金融公庫田辺支店では、「たなべ未来創造塾」の実施にあたり、カリキュラム作成や講師選定、塾生候補者の紹介、塾生へのヒアリング同席及び助言など連携した取組を実施するとともに、塾の進捗状況にあわせて公庫主催の各種講座の開催や個別融資相談などを連動させることで一体となった取組を実施してまいりました。
その結果、第1期生から空き家をリノベーションする事例が生まれ、日本政策金融公庫田辺支店は、無担保・無保証で700万円の融資を実行いたしました。
今後、こうした動きをさらに加速させていくため、田辺市内の事業者の産業振興に寄与する事業の実施に努めることを目的に、2017年5月31日に「経営者育成に係る連携協力に関する協定書」を締結し、現在、融資事例が次々と生まれています。
専門家や実践者などによる講義を開催するとともに、塾生同士のディスカッションを通じて、深く掘り下げることで、塾生自らが具体的なビジネスプランを考えていきます。
コミュニティビジネス、ソーシャルビジネス、CSV、クラスターなど、経済学や経営学についての知識を習得するとともに、地域づくりの最前線を学びます。
地域課題の解決や地域資源を活用したビジネスの実践者から具体的な取組やノウハウについて講義頂くことで、地域課題・自社の課題は何か、自社の強み・活用できる地域資源は何かを考えていきます。
ワークショップなど演習を通じて、課題の抽出やコンセプトを具体的なビジネスプランに落とし込み、塾生同士のディスカッションを通じて、何をすれば自分の企業が生き残れるかを考えていきます。
金融機関や関係機関、市関係者、報道機関等に出席頂く中で塾生自らが考えたビジネスプランを発表します。