14日目

たなべ未来創造塾 第6期修了式

日時:2022年03月19日  14:30~17:15

会場:田辺スポーツパーク 多目的ホール

たなべ未来創造塾<第6期>修了式は、新型コロナウイルスオミクロン株の急速な感染拡大に伴い、当初予定していた2月19日(土)から3月19日(土)へと、1ヶ月延期して開催いたしました。

また、6期生のほか、真砂田辺市長、甲斐熊本大学副学長、講師陣、近畿財務局和歌山財務事務所、金融機関、後援機関、神島高校、たなべ未来創造塾修了生など約50名の関係者に限定するとともに、都市圏や姉妹塾からの参加などについては、オンラインで出席いただくことで、できるだけ密を避ける対策を講じたうえでの開催となりました。

主催者挨拶

真砂市長(たなべ未来創造塾長)

たなべ未来創造塾は、これまで5期58名の修了生を輩出し、その約7割が実行しているとともに、それぞれがつながり、新しい価値を生み出しています。

 また、修了生の皆さんには、関係人口養成講座「たなコトアカデミー」や「熊野リボーンプロジェクト」「ことこらぼ」などの関係人口創出にも大きく関わっていただいており、こうしたたなべ未来創造塾を核とした取組がシティプロモーションアワードで金賞と特別賞(人材育成賞)を受賞するなど、全国からの注目が高まっています。

 また、金岡教授が熊本大学に移籍されたことを受けて、今年度より地方創生のノウハウを持つ熊本大学と田辺市が連携して運営することとなりました。

 その一環として、熊本県八代市、天草市、玉名市、阿蘇地域、富山県南砺市で姉妹塾が広がっています。

 コロナ禍のため、14回の講義中5回がオンラインとなり、コミュニケーションが取りづらい中、今まで以上に苦労もあったかと思いますが、今日は精一杯、発表していただきたいと思います。

来賓挨拶

近畿財務局和歌山財務事務所長 木村由典 氏

シティプロモーションアワードで金賞と特別賞を受賞されましたこと、誠におめでとうございます。

たなべ未来創造塾を核とした関係人口施策や姉妹塾の連携などの取り組みが評価され、田辺市の発想力と行動力のすばらしさを感じております。

また、今年度開催されました『日経ワーケーション会議in田辺』をWEBで拝見したところ、越境学習がテーマだったのですが、そのトークセッションの中で、都市圏企業の登壇者の方が「双方の間に心の壁ができることがあるが田辺市にはそれがない、誰隔てなく一緒に取り組める風土がある。」という発言をされており、これまで皆さんが取り組まれている成果が端的にあらわれていると思います。

近畿財務局和歌山財務事務所では、平成29年度からたなべ未来創造塾に後援をさせていただいておりますが、コロナ禍ということもあり、講義に伺うことも叶いませんでしたので、これからのプレゼンテーションを楽しみにしつつ、全国の財務局に向けて、情報発信していきたいと考えております。

経過報告
たなべ未来創造塾~第6期の取組について~

田辺市たなべ営業室 係長 鍋屋 安則

平成28年度にたなべ未来創造塾を創設し、これまで5期58名の修了生を輩出してまいりました。

地域課題の解決をビジネスの視点で考えていくことで、CSV(共通価値の創造)、企業と地域がwin-winとなる社会の構築を目指すとともに、大きなプロジェクトよりも地域に根差した小さなビジネスを数多く創出し、それらをつなげることで地方創生を実現しようと取り組んでまいりました。

これから6期生が発表するビジネスプランはあくまでもコンセプトであり、収支計画等のブラッシュアップについては、金融機関や商工会議所等の関係機関の支援をお願いいたします。

また、

  • 地域課題と企業課題の両方を解決しているか
  • 自社や地域の強みをいかしているか

を特に注意しながら聞いていただければ幸いです。

今期は14回の講義中5回がオンライン、修了式が1ヶ月延期になるなど、非常に難しい運営の中でしたが、6期生たちが新たなビジネスにチャレンジしようとしていることを応援していただければと存じます。

塾生最終プレゼンテーション
一言アピール

塾生が作り上げたビジネスプランについて、1人3分の時間内で事業内容の要点、概要などを発表しました。

ビジネスプラン(発表順)

MODRINAE FOR BUSINESS
-企業版戻り苗-

(株)ソマノベース 奥川 季花

美味しいヒロメを広めたい
-高品質なヒロメの安定供給を目指して-

ヒロメラボ 山西 秀明

Blue Earth Project
-ブルーアースプロジェクト-

(株)クラシアル 吉田 光利

nokemono?
-健やかなからだと地域をジビエから。-

やわらかワークス 前嶌 昭則

学びでつながる地域と観光客
-街全体を子どもたちの学びの場に-

ペンションあしたの森 栗栖 恵

地域の新たなプレイヤーを創る『クリエイタースクール』
-誰もが住み続けられる地域を目指して-

合同会社SOTSULOG(ソツログ) 苆野 允洋

10年後も浜中工芸が生き残るために
-プラスチックと熊野の森が作る新たな価値-

浜中工芸 濱中 祐実

ナゴコーラから始まる和歌山のcraft支援
-Wakayama Craftを全国へ-

合同会社REBEEN 少名子 遼太

半農半遊サークル『タナトモ』
-農業の人手不足を救う「都会と田辺の友だちの輪」-

(株)日向屋/地域おこし協力隊 田中 和広

ちょうど いい くるま
-Recycling Used Car-

(株)那須中古車センター 那須 建太

大人のためのハイキングクラブ
-第2の人生を楽しく健康に!-

STOCK OUTDOOR 新田 浩司

たなべ未来創造塾ネクスト
-未来塾メンバーのビジネスプラン実現に向けて-

日本政策金融公庫田辺支店 池永 純

ポスターセッション

例年は、塾生が作成した1枚のポスターの前で、個別にプレゼンテーションをしていくポスターセッションを開催していましたが、コロナ禍を踏まえ、三密回避の観点から、休憩時に各自ご覧いただくこととしました。

修了証授与

たなべ未来創造塾長の真砂市長から塾生一人一人に修了証が授与いたしました。

トークセッション
テーマ:「これからの新たな時代に求められるイノベーションとは」

パネリスト
真砂 充敏(たなべ未来創造塾長 田辺市長)
甲斐 広文(熊本大学副学長・熊本創生推進機構副機構長)
木村 由典 氏(近畿財務局和歌山財務事務所長)
葛城 晃章 氏(日本政策金融公庫田辺支店融資課長)
塾生12名
来場の皆さま

話題提供
鍋屋 安則(たなべ営業室)
神島高校生徒の皆さん

コーディネーター
金岡省吾 氏(熊本大学熊本創生推進機構・教授)

トークセッションに先立ち、話題提供として、鍋屋係長から修了生のその後の取組を紹介するとともに、神島高校生徒から関係人口創出に向けた『スタディケーション』についてのプレゼンテーションが行われました。

トークセッションでは、「これからの新たな時代に求められるイノベーションとは」をテーマに、まず12名の塾生からたなべ未来創造塾に参加した感想や今後の抱負が述べられ、その後、真砂市長、甲斐副学長、木村所長、葛城課長から感想や講評を頂くとともに、連携機関や協力機関、後援機関、ご来場の皆さまからコメントを頂き、修了式を終えました。

講評・コメント

真砂市長

地域課題はたくさんあるものの、それを解決する手法は十二人十二色だと感じた。

ビジネスにつなげていくためには、採算性等が問われるが、今回の池永さんのプランとも連携しながらブラッシュアップし、実行してくれることを期待している。

また、庁舎跡地を含めた田辺湾岸エリアの整備について、「田辺湾未来構想」として、一体的に検討していくこととしており、たなべ未来創造塾修了生の皆さんにいろんな意見を出してもらいたいと思っている。

甲斐副学長

金岡教授とともに地方創生に取り組んでいるが、全国の地域力を高めるために田辺市のノウハウをもっと広めていくべきだと思っている。熊本県内では12自治体が関わる中で姉妹塾が立ち上がり、この1年で50数人の修了生を輩出することとなる。

 田辺市が先進的である点としては、修了生のプラットフォームがあること。プラットフォームを活用したいという都市圏企業などがあらわれるなど好循環を生み出しており、面となった『田辺市ホールディングス』『(株)田辺市』だと感じている。

熊本では、高校生と未来創造塾の連携の兆しがあるが、高校を卒業するまでに“カッコいい大人”と出会うことがとても重要。田辺市が先行して進めることで、全国の手本になると思うので、是非チャレンジしてほしい。

木村近畿財務局和歌山財務事務所長

たなべ未来創造塾は、たくさんの修了生がいる。金融機関等の支援やノウハウなどに頼っていただき、田辺型のエコシステムでの役割を果たしてほしい。

皆さんがプランを実行し、地方創生の新たな事例となることを期待している。

葛城日本政策金融公庫融資課長

誰も脱落することなく、修了式を迎えてくれてホッとしている。14講義中5回がオンラインとなり、懇親会もあまりできず、限られた中ではあったが、真剣に考えて、立派なプレゼンだったと思う。

 今日、修了してもここからがスタート。これからも関係性を継続させてほしい。これからの人生の中で苦しい局面を迎えることもあると思うが、そうした時に助けてくれるのはたなべ未来創造塾の仲間だと思う。

その他のコメント等

  • 皆さん、プレゼンが非常に上手で思いが伝わった。共通していることは「共感」。
  • 紀伊民報に地域事業者が載っていればできるだけ訪問するようにしているが、そのうちたなべ未来創造塾修了生が7~8割。この広がりはすごいと思う。
  • この場は、いつも自分の学びになっている。私たちが育った時代は「成長社会」、今は「成熟社会」となったことを痛感している。これからは、人としても仕事としても“真っ当”でないと成功しないと感じた。

閉会挨拶

甲斐副学長

私は仕事でアフリカに出向くことがあるが、共通する地域課題が多く、たなべ未来創造塾の取り組みと生まれた事例は、アフリカでも必要とされると感じています。皆さんの活動は地域だけでなく、世界に通ずるということを片隅において取り組んでいただければと存じます。