日時:2023年08月19日 14:00~17:00
会場:田辺市役所 3階 第一会議室
様々な地域課題を引き起こす「人口減少」とそのメカニズム、また、「地方創生」とは何かということについて、官民の先進的な取組事例の紹介もいただきながら学びました。また、ケーススタディでは、たなべ未来創造塾修了生から、人口減少に歯止めをかける企業行動について学びました。
講師 熊本大学副学長・熊本創生推進機構副機構長 金岡省吾 教授
人口減少、これを起因として、産業の衰退、中心市街地の疲弊、高齢化、子育て、限界集落…..様々な地域課題が引き起こされます。
では、地域から人口が減少するメカニズムはどうなっているのでしょうか。
一つは少子高齢化による「自然減」、そしてもう一つの大きな原因が、大学進学や就職などを理由として、地域から都市圏に人口が転出する「社会減」です。これが全国各地で起こっていて、結果として、いわゆる「東京圏一極集中」の状況を生み出しています。
こうした状況を改善するため、○将来にわたって「活力ある地域社会」の実現
・人口減少を和らげる・地域の外から稼ぐ力を高めるとともに、地域内経済循環を実現する・人口減少に適応した地域をつくる
○「東京圏への一極集中」の是正
この二つを共に目指すこと、これが『地方創生』であるということを学びました。
また、こうした地方創生の取組として、自治体では千葉県流山市のシティセールス活動や長野県下條村の若者定住促進住宅事業、民間では積水ハウスや旭化成の住宅事業などの事例を見ていく中で、いずれも“子育て世代”をターゲットとした取組が功を奏していました。
勿論これらは一例ですが、先進事例、特に民間企業の動きをつぶさに見ていくことで世の中のトレンドが分かり、地方創生に向けた取組を始める際のヒントになるのではないでしょうか。
これからも様々な事例に学びつつ、今、私たちが住む地域や世の中が求める“キーワード”を見い出す力を高めながら、地域と向き合い、自身の強みを活かしたビジネスプラン創出を目指していくことが大切です。
そして、田辺市でも若者の県外転出による「社会減」が課題ですが、地域に根差したビジネスを創出し、取り組む“かっこいい姿”を子供たちに見せることで、「ここに住みたい」「帰って来たい」という気持ちを引き起こすことができれば、この「社会減」の改善、つまりは『地方創生』に繋がっていくはずです。
金岡教授の講義を受け、「人口減少歯止めする地域、企業」をテーマに、グループディスカッションを行いました。主な意見は次のとおりです。
講師 ㈱高垣工務店 代表取締役 石山登啓 氏(第2期生)
病気で倒れた社長の後を引き継ぎ、厳しい経営の中、スタッフ5人と共に会社を再興した石山さん。
どうすれば会社が生き残れるか。
そのため常に顧客に寄り添い、強い信頼関係を築くことを大切にした結果、日本最大の工務店ネットワーク「JHABNET」において、3年連続で顧客満足度No.1の会社として評価を受けるまでに。
その後も、顧客の声を聴き、ニーズに真摯に応える企業スタイルが、健康事業デイサービス「きたえる~む」や、発達障がいの子供やその母親を支援する放課後デイサービス「ハッピーテラス」といった事業に発展し、多角化経営に繋がりました。
そうした中、参加した「たなべ未来創造塾」で金岡先生に教わった「コミュニティーは武器になる」という言葉に衝撃を受け、多くの人が集い、繋がり、皆で学び、しゃべって、創造することができる場所「シリコンバー」を自身のビジネスプランとして発表、実践しました。「シリコンバー」は、今では多くのイベントやセミナー、記者会見、また、たなべ未来創造塾の会場としても活用され、人が集い、繋がり、新しい価値を生み出す場となっています。
そしてその結果、会社の売上にも繋がり、正に地域と企業がwin-winの関係に。石山さんの、「シリコンバーは言わば「ファミコン」で、いろんな人が「カセット(イベントなど)」を持って集まって来る」という例えが印象的でした。
1日目
2023.07.22
2日目
2023.08.05
4日目
2023.09.02
5日目
2023.09.16
6日目
2023.09.30
7日目
2023.10.21
8日目
2023.11.04
9日目
2023.11.18
10日目
2023.12.02
11日目
2023.12.23
12日目
2024.01.13
13日目
2024.01.27
14日目
2024.02.17