日時:2024年02月17日 14:00~17:00
会場:和歌山県立情報交流センター Big・U
たなべ未来創造塾<第8期>修了式は、熊本大学、近畿財務局和歌山財務事務所、金融機関、後援機関、講師陣、神島高校、たなべ未来創造塾修了生など、多くの皆様方にご参加をいただく中で、盛大に開催することができました。8期生一人ひとりの精進は勿論ですが、熊本大学をはじめ、関係機関の皆様方、応援していただいております多くの皆様方のご支援があってこその修了式であったと、心から感謝申し上げます。
さて、8期生13名は、結束強く常に支え合い、切磋琢磨しながら、それぞれが作り上げたビジネスプランを晴れの舞台で堂々と発表してくれました。素晴らしい発表でした。8期生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
そして、昨年に引き続き登壇していただいた神島高校の皆さん。神島高校では、「地域に関わる」をコンセプトに商品開発やイベント企画などに取り組む「神島屋」の活動や、たなべ未来創造塾修了生が講師として関わる「神島塾」を開催され、地域のことを学びながら、高校生ならではの視点で地域課題の解決を考え、実践されています。そうした活動の中から生まれたビジネスプランが、日本政策金融公庫が主催する全国の高校生を対象としたビジネスプラン・グランプリにおいて8年連続でベスト100入賞を果たしています。今回も、5,014件の応募の中からベスト100に選ばれたプラン「梅干しにねがいを~モノとコトを一緒に消費する「梅ぼし星」~」を発表していただきました。
同じ舞台でたなべ未来創造塾塾生と高校生たちがそれぞれの地域課題解決に向けたプランを発表する光景は、田辺市の未来を感じさせるものがありました。
大学進学などで地域を離れる「社会減」が人口減少の大きな要因となっていますが、地域で活躍する”カッコいい大人”たちとふれあう機会が多ければ多いほど、一度は地域を離れたとしても、将来は戻ってきたい、そういう気持ちにつながるのではないかと思います。そしてそのことが、人口減少の歯止めへとつながっていくのではないでしょうか。
自身の強みを活かして取り組む地域課題を見つけ出し、自分事で捉え、考え、実行する”カッコいい大人”たちが活躍するまち。これが田辺の強みです。
今回、8期生13名がこの”カッコいい大人”に加わりました。彼らの新たな挑戦を、今後とも温かく見守っていただけますと幸いです。
田辺市長 真砂充敏(たなべ未来創造塾長)
平成28年度からスタートしましたたなべ未来創造塾は、これまで7期82名の修了生を輩出してまいりました。そして、その約7割がビジネスプランを実行しているとともに、互いに連携しながら、新たな価値を生み出しています。
本日、第8期13名が修了を迎えることにより修了生95名、いよいよ100名の大台が近づいてまいりました。これまでも修了生の皆さんには、当市の関係人口創出事業である「たなコトアカデミー」や「熊野リボーンプロジェクト」「ことこらぼ」といった取組にも関わっていただいておりますが、これだけ多くの修了生に協力をいただけることを考えると、非常に心強いものがあります。そしてたなべ未来創造塾を核としたこのような取組が、これまでシティプロモーションアワードの受賞や、SDGs未来都市の認定及び自治体SDGsモデル事業への採択へと繋がっているのだと思います。
また、一方で、市内の神島高校と未来創造塾修了生との連携で実施される「神島塾」では、高校生ならではの視点で地域課題を捉え、解決するためのビジネスプランを考える場となっており、そうした取組から生まれたプランが日本政策金融公庫主催の高校生ビジネスプラン・グランプリでベスト100入賞を果たすといった成果をあげられています。
さらには熊本大学を中心に八代市、天草市、玉名市、阿曽地域、菊池市、山鹿市、富山県南砺市においても姉妹塾が展開され、自治体の枠を超えて互いに連携、協力し合う体制が構築出来ていることにつきましても、当市の地方創生に向けた取組の大きな力になっていると考えているところです。
近畿財務局和歌山財務事務所長 田中 好 様
たなべ未来創造塾は、地域活性化の成功事例として全国的にも注目を集められておりますが、私どもといたしましても、CSV(共通価値の創造)の考えのもとで地域と企業がwin-winの関係を構築し、その関係性が継続してつながり、さらに発展されている、素晴らしい取組であると考えております。また、地域活性化のためには、こうした取組が必要であるということを、教えていただいているのではないかと思います。
私自身も何度か8期の講義に参加させていただく中で、8期生の皆さんが地域課題に対して何か出来ないか、地域資源を上手く活用出来ないかと、熱い議論を交わされているのを拝見し、熱い思いの方が集まると、さらに熱くなっていく、そういうところを見せていただいたと感じています。そして、塾生の皆さんが修了生も含めまして強い絆で結ばれ、そしてさらにそれが広がっていく、たなべ未来創造塾はそうした素晴らしい取組であるということを、今回、改めて感じました。
日本政策金融公庫南近畿地区統轄 田上和彦 様
8期生の皆さん、約半年間、本当にお疲れ様でした。私はかねてからたなべ未来創造塾のファンです。
日本政策金融公庫としましては、このたなべ未来創造塾の取組を全国に発信していきたいとの思いから、いくつかの取組を実施させていただいております。
少しご紹介しますと、一昨年には、田辺市内の秋津野ガルテンにおいて、田辺市との共催で移住創業の応援セミナーを開催し、未来創造塾修了生の方にもご登壇をいただきました。
また、昨年4月には、公庫本店(東京都)にて、総裁はじめ役員、都内の各支店長あてに熊本大学金岡先生、田辺市たなべ営業室鍋屋参事にご講演をいただきました。
さらには、公庫ホームページにて、全国各地の地域課題解決に向けた取組を紹介させていただくコーナー「JFCリレーションズ地域課題の解決に向けた日本公庫の取組み」を設け、田辺市及びたなべ未来創造塾の取組を紹介させていただいております。
さて、私自身も参加させていただきました、熊本大学を会場に開催される同県内の姉妹塾の塾生の皆さんが一堂に会する合同講義では、先輩分であるたなべ未来創造塾の修了生から取組事例を発表する中で、本当に高い熱量で塾生の皆さんが臨んでおられる様子が印象的でした。
たなべ未来創造塾の修了生の中には、国や県をはじめいろいろな賞を受賞されている方もいらっしゃいますが、決して浮かれることなく、地道に、着実に取組を進めておられる、また、修了生同士が期を超えて連携をしながら地域課題解決のために取り組んでおられる、こうしたことがこの塾の特に素晴らしいところだと感じています。
日本政策金融公庫としましては、第9期、第10期と、これからも関係機関の皆様方と共にたなべ未来創造塾をさらに盛り上げていくことをお誓いしたいと思います。
田辺市たなべ営業室価値創造係長 入口直史
平成28年度にたなべ未来創造塾を創設し、これまで7期82名の修了生を輩出しております。地域課題の解決をビジネスの視点で考えていくことで、CSV(共通価値の創造)、企業と地域がwin-winとなる社会の構築を目指すとともに、大きなプロジェクトよりも地域に根差した小さなビジネスを数多く創出し、それらをつなげることで地方創生を実現しようと取り組んでまいりました。
8期生が発表するビジネスプランはあくまでもコンセプトです。実現に向けた更なるブラッシュアップについては、引き続き金融機関や商工会議所をはじめ、関係機関の皆様のご支援をお願いいたしますとともに、ご来場の皆様方にも、8期生の新たな挑戦を温かく見守っていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、プレゼンテーションについては、特に次の2点について注意しながらお聞きいただければ幸いです。
一言アピール塾生が作り上げたビジネスプランについて、1人3分の時間内で事業内容の要点、概要などを発表しました。
ビジネスプラン吊橋を観光資源に ツリバシズム tsuribashi+tourism塾生:㈱初山 皆瀬雅也
ビジネスプラン建築の多様性 Architectural Diversityライフスタイルの多様化に寄り添う 次世代の建築style塾生:A-style㈱ 岡本章克
ビジネスプラン龍神村とわりばしと私塾生:㈱中川 大垣内喬也
ビジネスプラン放置林を財産へ塾生:㈱橋本林業 橋本涼平
ビジネスプラン林業にWakuWaku ~木と人の縁をつなぐ~塾生:山長林業㈱ 榎本絢子
ビジネスプラン豊子93さい、シニア修学旅行へ行く。塾生:㈱ReLIFE 廣畑将紀
ビジネスプラン相続登記義務化による司法書士の新しい関わり方塾生:司法書士小林徹事務所 小林 徹
ビジネスプランまごころサポートってなんだ!?心でつながる孫のようで心丈夫な何でも屋さん塾生:合同会社志成(まごころサポート田辺くるむ店) 花村あゆみ
ビジネスプラン子育てを孤育てではなく地域育てへ~Tanabeの子育て次世代リーダーに~塾生:㈱南紀白浜エアポート 柳原理穂
ビジネスプラン共子 to ともに安心して歩みを積み重ねられる居場所づくり塾生:言語聴覚士 竹本共子
ビジネスプラン農業の3Kを1Kに塾生:尖農園 小谷大藏
ビジネスプラン農家の台所 さつまいもから始める新しい農業スタイル!塾生:鈴木農園・キッチンスー 鈴木秀教
ビジネスプラン麹を広めたい ~田辺ならではの麹で新たなプロダクトづくり!~塾生:独立行政法人南和歌山医療センター 水本真衣
塾生が作成したポスターの前で、個別プレゼンテーションを行うポスターセッションを実施しました。
たなべ未来創造塾塾長である真砂市長から、8期生一人ひとりに修了証を授与しました。
パネリスト真砂充敏(田辺市長、たなべ未来創造塾塾長)大谷 順(熊本大学理事・副学長・熊本創生推進機構長)田中 好 様(近畿財務局和歌山財務事務所長)武藤純司 様(日本政策金融公庫田辺支店長)8期生13名、ご来場の皆様
コーディネーター金岡省吾(熊本大学副学長・熊本創生推進機構副機構長)
入口直史(田辺市たなべ営業室価値創造係長)神島高校の皆さん
トークセッションに先立ち、話題提供として、田辺市たなべ営業室価値創造係長 入口から修了生のその後の取組等について紹介するとともに、神島高校の皆さんから、日本政策金融公庫主催の2023年度高校生ビジネスプラン・グランプリのベスト100に選出された「梅干しにねがいを~モノとコトを一緒に消費する「梅ぼし星」~」についてプレゼンテーションが行われました。
トークセッションでは、「これからの新たな時代に求められる共創のまちづくりとは」をテーマに、まず8期生13名からたなべ未来創造塾に参加した感想や今後の抱負が述べられました。続いて、真砂市長、大谷理事、田中所長、武藤支店長からプレゼンテーションを受けての感想や講評をいただくとともに、関係機関、講師の皆さまからもコメントをいただきました。
○8期生コメント
○講評・コメント
真砂市長
今期は出席率の高さもそうですが、塾生の皆さんの熱意が十分に伝わるプレゼンテーションであったと感じています。地域課題をビジネスで解決し、そして田辺の活性化につなげていこうと、約半年をかけて皆さんがそれぞれの立場で考え、また議論し、ビジネスプランとして構築していただいた、このプロセスそのものが大事であると感じています。そして塾生の皆さんも言われていましたが、未来創造塾ならではのつながりができる、このことも本当に大きな成果であると思っています。
大谷 熊本大学理事
本当に楽しい時間でした。熊本大学では熊本県内6か所で未来創造塾を展開していますが、オリジンは田辺にあると改めて感じました。私は常日頃から学生には前向きに明るく取り組まないと研究成果は出ないと言っているのですが、今日塾生のプレゼンを拝見していると、まさに実践されているのだろうと実感した次第です。また、塾生の皆さんは、塾を通して同期生や修了生など、多様な方との意見交換の中で自身の取組を客観的に捉えながら、他者の事例も参考にして課題解決の手法を学ぶということを上手に取り入れられていると肌で感じましたので、熊本の姉妹塾でも共有してまいりたいと思います。
田中 近畿財務局和歌山財務事務所長
どの塾生さんの発表も、自社の強みを活かしたプランであったり、地域資源の活用であったりと、想いが強く感じられる、素晴らしいプレゼンテーションであったと思います。聞かせていただき、本当にわくわくしました。今後はプランの実現に向けて頑張っていただきたいと思いますし、また、たなべ未来創造塾でのつながりをいつまでも大切にしていただければと思います。そのつながりも、たなべ未来創造塾の強み、特色であると感じています。近畿財務局和歌山財務事務所としても、これからもたなべ未来創造塾を応援させていただきたいと思います。
武藤 日本政策金融公庫田辺支店長
8期も様々な業種の方が塾に参加されましたが、それぞれのフィルターを通して地域を見ると、こんなにも多様な地域課題の捉え方があるのかと、改めて感じました。また、今回は、塾生の皆さんは意外と大きな苦労もなくビジネスプランを作られたという印象がありましたが、実は相当なご苦労があったと先ほどお聞きしまして、やはりそうかと思い、改めまして心から敬意を表したいと思います。一方で、期を追うごとに塾生の皆さんは地域課題というものをある程度意識された状態で入塾されていると感じていまして、このことは、たなべ未来創造塾の取組が地域に浸透してきている、本当に大きな功績であると感じています。地方、都市部問わず少子高齢化は起こっていますが、これに起因する課題に対し真剣に向き合っている経験値は地方の方が高いと感じていますし、その意味でたなべ未来創造塾の取組は本当に意義のあることだと思っています。塾生の皆さんには、次は今回発表されたビジネスプランを実行に移していただくことが重要です。日本政策金融公庫田辺支店としましては、本日、ご臨席いただいております和歌山県信用保証協会様や紀陽銀行様、きのくに信用金庫様、田辺商工会議所様など、関係機関の皆様と連携しながら、引き続きサポートしてまいりますので、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。
○ご来場の皆様からのコメント
○真砂市長
たなべ未来創造塾は、本当に市内外から高い評価をいただいております。これについては熊本大学をはじめ関係機関の皆様のご支援、ご協力は勿論ですが、やはり大きなところは塾生一人ひとりの活躍の賜物であると考えております。今後も未来創造塾を継続し、そしてより発展出来るよう取り組んで参りたいと考えております。そして、冒頭挨拶でも申し上げましたが、いよいよ令和6年度の第9期で100名を超える節目を迎えます。一方で、新庁舎の完成、世界遺産登録20周年、令和7年度には新田辺市発足20周年、世界農業遺産登録10周年と周年事業が続きます。さらには同年に大阪・関西万博も開催されます。こうしたことを一つの契機として取り組む田辺市のまちづくりに対しても、塾生の皆さんには今後とも、それぞれの立場からご協力をお願いしたいと考えています。
○大谷 熊本大学理事
熊本大学では、この未来創造塾の取組を、全国各地に広げていこうという動きになっており、そのため、金岡教授を中心とする熊本創生推進機構の体制を令和6年4月からさらに強化し、より積極的に取組を進めていく予定としております。また現在、田辺市と天草市から政策研究員として職員派遣していただいておりますが、姉妹塾を実施しているほか自治体からも同様に派遣をいただくことを検討しておりまして、地域と熊本大学が共にwin-winとなることを目指して、引き続き取り組んでいきたいと考えています。こうした動きはたなべ未来創造塾から始まっていると熊本大学では思っておりますので、益々の発展を期待しております。
1日目
2023.07.22
2日目
2023.08.05
3日目
2023.08.19
4日目
2023.09.02
5日目
2023.09.16
6日目
2023.09.30
7日目
2023.10.21
8日目
2023.11.04
9日目
2023.11.18
10日目
2023.12.02
11日目
2023.12.23
12日目
2024.01.13
13日目
2024.01.27