3日目

講義 田辺市の新たなまちづくりとビジネスチャンス

日時:2022年08月18日  13:00~16:00

会場:たなべる 2階 大会議室

今回のテーマは、「田辺市の新たなまちづくりとビジネスチャンス」。

人口減少が進む中、田辺市では今後どのようなまちづくりを進めていくのか、その中でどこにビジネスチャンスがあるのかを探りました。

講義 田辺市の新たなまちづくりとビジネスチャンス

講師 田辺市長 真砂充敏

田辺市では、合併後10年間、新市建設計画に基づいた市政運営を行ってきました。
そのため、合併10周年という節目を強く意識し、新たなまちづくりに向けた転換期にしたいという思いから、2014年に「たなべ営業室」を創設したわけですが、地域課題の根底である人口減少に歯止めをかけるためには、今、田辺に住んでいる若い皆さんが将来に希望を持て、地域に住み続けることができることが大切だという思いから、2016年に「たなべ未来創造塾」を創設し、6期70名の修了生を、2020年より「たなべプチ起業塾」を創設し、2期22名の修了生を輩出してきました。
そして、住民票はないけれど、田辺市に関わっていただける関係人口を増やしていくという考え方が重要だと思っています。
そのため、「たなコトアカデミー」や「熊野リボーンプロジェクト」「ことこらぼ」といった関係人口施策に取り組んでおり、たなべ未来創造塾の修了生の皆さんにも協力をいただいています。
この2つに力を入れていこうというのが、「たなべ営業室」を創設した理由です。

首都圏関係人口連続講座「たなコトアカデミー」

7期生の皆さんに期待すること

田辺市の新たなまちづくりを皆さんのビジネスチャンスに是非結び付けてほしいと思っています。
その「チャンス」とは何か。「チャンス」は基本的には無言で通り過ぎ、チャンスだよと言ってくれるものではありません。誰しもがどこにチャンスがあるか、いつがそのチャンスなのかというところは分からないと思います。

しかし、必ずそれぞれに同じだけのチャンスがあり、それを掴むかどうかに差があると考えています。

では、どうすればチャンスを掴むことができるのか。
その一つとして「アンテナを高くして磨いておくこと」が大事だと考えています。そのためには、「好奇心」、「問題意識」があるかどうかがチャンスを掴むコツではないかと思っています。

「好奇心」とは、ある新しいことに触れたとき、それを見逃すのか、これはどういうことか、このことでなにかいい方法はないかと考えるかどうかということ。
「問題意識」とは、現状に甘んじることなく、もっとこうすれば良くなるのではないか、もっといい方法があるのではないかなど、常に問い続けるということ。

それに加えて、もう一つ「バットを振れ」ということも大事であると思います。「バットを振らない限りはボールが当たることはない。」
それは「チャレンジをする」ということです。チャンスを掴もうと思ったら、バットを持って立っているだけではヒットやホームランにはなりません。チャレンジをしなければ、チャンスの掴みようもないということです。

このたなべ未来創造塾をきっかけに、何とかチャレンジしようと思っている。これがやはり大事であり、チャンスを掴む1つではないかと思っています。

また、チャンスは自分だけでなく、周りから与えてもらうということもあります。小さな頼みでも頼まれたときが応えどきであり、応えることで信頼が生まれます。この循環を小さいながらも積み重ねることが重要です。

田辺ONE未来構想

現在、新しい田辺市庁舎の建設をしています。これは50年に一度、もっと言えば100年に一度の大事業です。再来年の春ごろには完成し、8月頃には新しい庁舎になっていると思います。

その一方で、旧庁舎跡地や市民総合センターを含め、田辺湾岸エリアをどう活用していくかが大変大きなテーマになります。

田辺湾岸エリアには、天神崎、紀南文化会館、旧庁舎跡地、田辺の三偉人(植芝盛平、南方熊楠、武蔵坊弁慶)に関連する施設、扇ヶ浜、文里湾横断道路(予定)など多くの魅力がたくさん詰まっております。これら田辺湾岸の未来デザインでもう一度描き直すことが、庁舎跡地を活かすということにつながり、さらに中心市街地活性化につながるものと考えています。

また、2024年には世界遺産登録20周年、2025年には田辺市合併20周年、大阪・関西万博など、様々な節目も重なってまいります。

これらの中に何かヒント、好奇心、問題意識、積極性などが上手く噛み合えばチャンスにつながっていくものになるのではないでしょうか。

講義のあと、市長は、塾生一人一人と対話を行い、3日目の講義を終えました。