10日目

講義 「超高齢社会の地域ビジネスの可能性」

日時:2022年12月01日  13:00~16:00

会場:たなべる2階 大会議室

田辺市における地域課題の重要な視点の一つである「高齢化」をテーマに、地域はどのように変化するのか、どこにビジネスチャンスがあるのかを探りました。

講義「超高齢社会の地域ビジネスの可能性 ~地域包括ケア時代の生活支援サービス市場~」

講師 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 
   共生・社会政策部長 主席研究員 岩名礼介 氏

「あなたの知っているおじいちゃん、おばあちゃんをイメージしてほしい。」

そんな問いかけから講義がスタートしました。

受講生が幼少期に見てきた高齢者は、戦争を体験し、戦後復興の中で暮らしてきた世代ですが、今後の高齢者は、バブル経済の中で20代を過ごしている世代であり、「高齢者」といっても、ひと昔前とは趣味嗜好も違うし、一律のイメージがあるわけでもありません。

そのため、高齢者にアプローチする際に、高齢者イメージの先入観を除去しないとビジネスを見誤る可能性があります。

また、高齢者や介護に関する仕事をしている方は、高齢者のニーズを市場化してサービスを展開していくというビジネスチャンスがあることはもちろんですが、高齢者に関する仕事をしていないという方であっても、市場全体が高齢化するため、ビジネスの変化は避けられません。

2035年には85歳以上が人口の10%近くを占める時代を迎えます。

85歳になると介護保険の認定率が50%を超えますが、認定されていない方は介護が必要ではないということではなく、ちょっとした困りごとを家族や近所の方に支えてもらいながら生活しているケースが多いのが実態です。しかし、その支える年代の人口が減ってしまうため、家族と介護保険だけでは対応できない時代になってきているのです。

こうした中で、自立した生活をしつつも「ちょっとだけ」できないことを抱える高齢者が爆発的に増えることが予測され、今後の高齢者は、多様性が認められる時代の中で暮らしてきたこともあり、多様なニーズに対応していくことが求められます。

地域包括ケアの考え方では、「なじみの関係性」の中で、「選択肢」のある生活が重要だと言われています。すべてのニーズに「選択肢」を準備できないとしても、選択肢がない生活は避けたいものです。わずかな「選択肢」を地域に作ることができるかがこれからの時代のキーワードになります。

高齢者のニーズは多様化しているにも関わらず、介護保険は、全国統一の仕組みのため、行政サービスの中では、こうした「選択肢」に対応していくのが難しいのが実情です。

一方で、民間の強みは、「選択肢」に対応することが可能であることです。 

柔軟性と多様性に対応できる民間企業なら、超高齢社会においては、かなりのビジネスチャンスとなりうる可能性があり、民間企業の力を最大限に発揮するためには、行政と民間が協働する必要性が高まっています。

そこで求められるのが、オープンイノベーションです。多様な業種が集まり、話し合うことがとても重要で、たなべ未来創造塾はまさにこうした「場」なのです。

大量生産の時代から多品種少量生産の時代に変わる中で、カスタマイズできることや柔軟性があることなどに価値が高まっています。

しかし、小さいロットをサービスにすると採算がとりづらい側面があります。

そのため、本業で稼ぎながら「ついで」「ながら」のサービスで集客するという考え方もあります。コミュニティを形成し、そこで直接的な収益を上げるのではなく、本業の顧客につなげるという手法です。

また、ニーズは多様であるものの市場が小さいという実情がある地方では、人口が密集している都会のように専門店化するのではなく、多様なメニューを持つことも重要な視点なのではないでしょうか。

あなたのビジネスで考えてほしいこと、

  • あなたのビジネスは、人口構造の影響をうけますか?その準備はできていますか?
  • なぜ高齢者が、あなたのサービスを買わないか知っていますか?
  • 「1個いくら」で細かく売っていませんか?
  • ついでにできることはないですか?