日時:2022年09月05日 13:00~16:00
会場:田辺市役所第二別館3階 大会議室
今回のテーマは、「対話から生み出す新たな価値」。
福岡県福津市津屋崎を拠点に活動している「津屋崎ブランチ」代表の山口覚氏を招き、対話から生み出す新たな価値の生みだし方、津屋崎ブランチの取組を学びました。
講師 津屋崎ブランチ/Local&Design代表取締役 山口覚 氏
「対話」という概念をできるだけ多くの人が同時に持つことで地域が豊かになっていくという確信があります。また、その「対話」とともに「発明」という概念、頭の使い方を伝えたいと思っています。新しいビジネスを生み出す際、すでにビジネスモデルができあがったものであれば、マニュアル通りやればよい。
しかし、自分の好きなことや得意なことを活かしながら、これまでにはない、新しいことにチャレンジしてみたいという気持ちがあるなら「発明」的な発想が重要だと思っています。
私の話を聞いて自分は何を思ったのか。自分にとっては当たり前と思っていても、相手の頭の中身は同じとは限りません。
皆さんが感じたことをお互いに話すことで新しい学びや発見があります。話が違えば違うほど、面白いと思える耳を持ってほしいのです。人は、意見が違うときに評価しようとします。自分のほうが正しいと思いがちになり、論破しようと否定することを考えてしまいます。
これは、相手にとても失礼なことでもあり、自分の成長を止めてしまう可能性、相手から学べるチャンスを見逃してしまうことになるのではないでしょうか。違えば違うほど、受け入れられない考え方と思えば思うほど、相手ではなく自分を疑ってみてほしい。そうすることで、人の話の聞こえ方が変わってきます。これが対話のベースとなるのです。
コップに水が“半分しか”入っていないと思うか、“半分も”入っていると思うか。事実は同じでも、人によって捉え方が異なり真逆の評価になってしまうこともありえます。
その評価は本当にそうか?と常識を疑う発想がとても重要です。そのため、「ロジカルシンキング(論理的思考)」だけではなく、常識を疑う、問から問を生む「ラテラルシンキング(水平思考)」を身につけることで、「発明」的発想を生み出すことができる可能性があるのです。
これまでの都会では、「競争」…同じベクトルの中で優劣を競うこと「所有」…モノに豊かさを感じること「依存」…別の言い方をすれば「便利」「消費者」経済を拡大させることを大切にし、相対的な価値を大切にしているとも言えます。
しかし、これからの社会は、「協力」…一人ではなし得ないことが可能になる「共有」…みんなで使うことで喜びを分かち合う「自立」…別の言い方をすれば「創る」を大切にすることで、関係性が生まれ、消費者ではなく当事者になることができるのではないでしょうか。
例えば、オレンジジュースを作るにあたり、Aグループはジューサーで、Bグループは手絞り機を使うこととします。ジューサーでは、早く、しかも簡単に作ることができます。一方で、手絞り機では時間がかかり、めんどくさい作業が必要になります。
しかし、どうすれば労力を減らせられるかグループ内で話し合いが生まれ、創意工夫が生まれ、その結果、楽しい、おいしいという気持ちになります。
これまでの時代は、必要以上に便利さが追求されてきました。しかし、ほんの少し手放すことで、これまで感じることのなかった大きな価値を得ることができ、こうしたことにお金を払う時代になるのではないでしょうか。
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